テレビ番組については「超音波 (テレビ番組)」をご覧ください。
妊娠12週の胎児の超音波画像(2次元スキャン)。
超音波(ちょうおんぱ、英語: ultrasound または ultrasonic)とは人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ弾性振動波(音波)である。超音波は可聴域の音と物理的特徴は変わらず、人が聴くことができないというだけである。広義の意味では、人が聞くこと以外の目的で利用される音を意味し、人間に聞こえるかどうかは問わない。超音波はさまざまな分野で利用されている。 超音波の周波数の下限に関する定義はいくつかあるが、1つは20kHz以上の音波とするものであり、例えば広辞苑では『超音波は振動数が毎秒2万ヘルツ以上で定常音として耳に感じない音』と定義されている。なお、「人間が聞き取れない」周波数ではあるが、発声に関しては20kHzを超える音成分を発することができる人もいる。 一方、超音波の周波数の上限は特に規定されていないが、2007年現在の科学技術では数GHzまでの超音波が発生できるため、このあたりが実質的な上限といえるかもしれない[1]。但し、周波数を高めても伝搬媒体とのインピーダンスが整合していなければキャビテーションが発生して伝搬できないので実用上の上限になる。逆にこの現象を利用して超音波洗浄機等に応用される。 超音波は指向性が高くうまく使えば高分解能な探知に使える。また音圧を比較的容易に上げられるため静かなドリル・金属やプラスチックの加工にも用いられる。以下にさまざまな用途を挙げる[2]。
周波数範囲
用途超音波検査胎児の超音波スキャン
情報的な利用
距離計(自動車周辺の障害物検出、超音波式車両感知器、積雪計など)
漏洩検査
超音波厚さ計
超音波ボルト軸力計
非破壊検査装置(超音波探傷検査、レーザー超音波計測)
超音波検査(医療)
胎児超音波検査
腹部超音波検査
心臓超音波検査
頸部超音波検査
頸部血管超音波検査
乳房超音波検査
血管超音波検査
経膣超音波検査
運動器超音波検査
超音波内視鏡
気管支腔内超音波断層法
ソナー(魚群探知機)
測深機
公正取引委員会は、超音波による「ダニ撃退」および「蚊よけ」をうたう商品について、効果が認められないとして排除命令を出した事がある[6][7]。